「略奪者、侵略者」
映画の『プレデター』の事である。
あの映画がどうしようもなく好きである。
エイリアンが、地球にやって来て強そうな人間達を捕らえては喰っていく。あの映画だ。
『プレデター2』の方が好きである。
姿も見えなければ、見たこともない武器を使い、さっと人間を捕らえては、消えていく。
人々は、恐怖におののく。
勇気あるものは、この見えぬ敵に立ち向かい。闘う。
あのエイリアンは、マスクを脱ぐとやたらと醜い顔をしている。蟹のような、蜘蛛のような顔。
醜い顔とは裏腹に、メチャクチャハイテクなところがまた格好いい。
僕が知っている「エイリアン系」のデザインでは、ピカ一だと思っている。
ただ非情なだけの狩人はない。
勇気を持って闘った人間に対して、敬意を払うのである。
勇者として、扱うのである。
殺戮を繰り返す醜いエイリアンであるけれど、情けもあるようだ。
一挙に大量殺戮もしない。
一人一人をターゲットとして、殺していく。喰っていく。
喰った後は、髑髏(しゃれこうべ)をコレクションとしているではないか。
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間違いなく、ヤツは狩人だ。
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さて、黒鯛釣りである。
僕は、「黒鯛釣り」と「プレデター」をいつも同じように考えている。
僕がエイリアンで、黒鯛が人間なのだ。
僕(エイリアン)は、黒鯛を解らないように捕獲し、
殺戮し、コレクターにしようとしている。
それも、とびきりの勇者を狙って。
彼らに見つからないように動き、彼らからは計り知れない術を使い、
すきあらば捕獲しようとしている。
より凄い獲物を求めて、日夜考え、武器を手入れし、新しい武器を考えているのだ。
ヤツらの行動パターンを研究し、ヤツらの好むものを見つけだし、
察知されないように、捕獲していくのだ。
ただ、殺戮を繰り返すのではない。
より強いものを探しているのである。より大きな存在を。
自分のハンターとしての本能を、最高に喜ばしてくれる、
アドレナリンを大量に排出できる「獲物」を。
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そう僕は、エイリアンなのだ。
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もの凄いエイリアンでいたい・・・・・
だから、一網打尽にするような大量殺戮はやらない。
狙った獲物だけを捕獲する。紳士なエイリアンでいたいのだ。
勇敢に闘った黒鯛には、敬意を持って接したい。勇者の証として・・・・
ただの遊びではないのだ。
自分が狩人としてのステイタスを高めるためにも、獲物は常に最高のヤツであってほしい。
その最高の獲物を喰らい、コレクター(魚拓) していくのだ。
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最高の狩人でいたいから、
闘ってくれた勇者を粗末にはできないのだ!
最高の勇者のいるところを粗末にできないのだ!
また、優秀な狩人は、自分の獲物の場所は教えない。
その方法も、明かすことはない。
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なぜなら僕は、エイリアンなのだから。
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