2013年4月23日 その1│ニュースな世界
TPP参加によって変化する食品表示
『ほんものの食べもの日記partⅡ』さんというブログに秀逸な記事がありましたので、
以下、全文を転載します。
オレンジの自由化の際にアメリカの外圧に屈して、国内で使用禁止だったイマザリル、TBZ、OPPを食品添加物扱いで輸入柑橘に許可しちゃった日本。
発がん性、変異原性、肝臓・腎臓障害などの危険性が高いと指摘されております。
最近誰も言わないけどこれ、本当によくないポストハーベスト農薬なんすよ。
TPP参加が表明されたですね。
TPP参加に合わせたかのように、新食品表示法が国会に提出されたです。
「新食品表示法」とは、食品衛生法・JAS法・健康増進法の3法の食品表示に関わる部分を統合し、一元化するものでございます。
今回の新食品表示法では、表示基準を守らない不適切な表示についての行政措置や罰則規定も盛り込まれ、消費者団体からの事業者に対する差し止め請求なんかもできるようになるのです。
加えて、消費者の「安全の確保」「選択の機会の確保」「必要な情報の提供」等消費者の権利も尊重され、今までにはなかった考え方が織り込まれているらしいんす。
おお、すばらしい。
しかし、実際の表示のルールはこれからの検討となり、詳細な表示基準はまだ決まっていない。
これってなんとなく、TPP参加を待っていたかのよう。
だってね。
今までも製造年月日表示がなくなったり、製造者を書かず製造者固有記号を書けばよくなったりと、外圧に屈して後退してきたという前例が多々ある日本。
今回もまたアメリカという大きな国の外圧に屈して今よりもさらに後退する可能性が懸念されているのだ。
後退って言われてもピンと来ない人の方が多いかも。
現在の法律でどれぐらい原料の表示をされているのか知らない人の方が多い気がする。っていうか、難しくてわからないし。
ということで、一覧表を作ってみました。
ええっ? たったこれだけだったの? てな感じで驚いてください。
■原料原産地表示が義務付けられている加工品一覧
加工食品の原料の原産地表示が義務付けられているのは、この表の農産物4食品とその他22食品群だけ。意外と網羅されておりません。
ちなみに4の異種混合した野菜ってのはカット野菜のこと。この場合でも、重量の50%未満のものは原産地表示が必要ないとか細かく決まってたりしてですね、消費者どころか事業者にもわかりにくいルールで運用されております。
■表示義務のある遺伝子組み換え食品
遺伝子組み換え食品(加工品)については上記の33品目以外は表示義務がなく、さらにこの33品目に於いても、原材料の重量上位3品目以内でなければ表示義務がなく、上位3品目以内でも、総重量の5%未満ならば表示義務がないのですよ。
一回だけ聞いて理解できる人の方が少ない、難しいルールっす。
ここで特筆すべきはコーンフレークには表示義務がないってこと。
でもだいたいされてるけど。食品の裏側を見てみてください。
■EUと日本の遺伝子組み換え食品表示の違い
そのわかりにくさはEUと比較すると一目瞭然。ほとんどすべてを表示しているEUと比べ、日本がいかにできていないかがよくわかります。でもまだアメリカよりはまし。
アメリカは全く表示されていないから。TPPでゴリ押しされそうで怖いのはここです。
■物質名がわかりにくいからという理由で
一括名で表示していいと決まっている食品添加物
一括名で表示してあるから原材料表示の文字数が少なく見えていい感じ。
でも、実際にどのような食品添加物が使われているかは知ることができないのでした。
その結果は一番下の韓国との表示の差を見れば一目瞭然っす。
■物質名がわかりにくいからという理由で
簡略名で表示していいと決まっている食品添加物の一例
食品の裏側でよく見かける「加工でんぷん」「VC」は実際にはこんな物質のことであります。
加工でんぷんは国際的な規格では上限を0.5%までと規制されてたりする物質もあって、
何が入ってるかわかんないのはちょっとヤな感じっす。
■日本で作られたごまドレッシングの日本の表示と韓国で売る際の韓国の表示の差
1995年の法改正までは日本でも韓国並みの表示がされていましたが、
現在では上記の通り。シンプルで添加物が入っていないような気がするけど、
実際には韓国の表示が正しいわけで。いっぱい入ってる気がするわけで。
日本とEU、日本と韓国を比較すれば、表示が不十分なのは明らかなのでございます。
日本人が羊のようにおとなしく、現在の表示を受け入れている理由は、
ただ知らないだけなのではと最近思うようになったわたくし。
自分が食べてるものがどんなものか知りたいのは、消費者としては当然なわけで。
知らなくてもいい人はいいけど、知りたい人には後退はイヤなわけで。
知りましょう。んで、今後の食品表示法の推移を見守らなくてはですよ。
「イヤです。私は知りたいです」と言わねば、
知らない間に遺伝子組み換え食品が非表示になってしまう
可能性がかな〜りあるのですから。
以上、転載しました。