僥倖を待つ

僥倖を待つ

以前、短竿師の日記に記したものでけど、
どうしても残しておきたくなったので、改稿して遺す。
何故なら、あまりにも世が狂いだしているからだ。
清朝末期と言おうか幕末と言おうか本居宣長登場前後のような・・・・
何とかならないかと・・・私人として想う。
なんて元気のない世の中なのだ。底冷えのする世の中だ。
みしみし土台が揺らぐ音がする。
僕らの日本が安売りされている。叩き売られているではないか。
みしみし土台が揺らぐ音がする。

そりゃそうだ。
企業は、利のために消費者をだまし、お上もだまし利用する。
そのお上は、茶番劇を繰り返し底の浅さを露呈し、
かけ声だけがこだまして、虚しく寒空の中に溶けていく。
官僚は、王朝末期の宦官のように私欲のために走り回り、
血税を我が物のように吸い、散財する。
取り締まる側の警察は、相変わらずの不祥事続き。
うっかり交番へも相談に行けない。
鉄槌を喰らわす裁判官は自ら鉄槌をうけ
巣を暴かれた蟻のように、民衆は彷徨う。



父は不景気の煽りを受け職と威厳を失い、
母はネット交際に血をたぎらせる。
姉は小遣い稼ぎで気軽に股を広げ、
兄は弱い者を棒で叩く。

・・・・・・・・・・・・・・

婆の泣く声がする。あまりにも寂しい響きじゃないか。


みしみし土台が揺らぐ音がする。
権威は地に落ち、信頼は風化した。
安心や安全がない世の中だ。
それでも何とか前を向こうとするけれど、
変えていこうとすればするほど傍観者が多くなる。
良い物を、良い事を、出来ない世の中だ。
基準が基準でなくなっている。既に機能がなくなっている。

みしみし土台が揺らぐ音が、地殻の中から聞こえてくる。
もうそろそろ限界なのだろう。
これで何もないような日々が続くとしたら、もう終わりだろう。
どんどん安く売られていくのだろう。
・・・・・・どう考えても世は乱れる。
いや、乱れなければおかしい。

乱すのがせめてもの僕らの義務のような気もする。
そんな事を想った。